Vision

Ashes and Snow のビジョン

「すべての動物が共有している言葉と詩的な感覚を探る過程を通じて、私は、人間が動物と調和しながら生きていた時には存在したはずの共通の基礎を再発見したいと考えています。作品のイメージは、始まりも終わりもなければ、こちらとあちらや、過去と現在の区別もない世界を表しています」
—グレゴリー・コルベール Ashes and Snow制作者

グレゴリー・コルベールが手がける Ashes and Snow は、写真、35ミリ映像、インスタレーション、そして小説が一体となって織りなす、今も進行中のアートプロジェクトです。動物には豊かな表現力と芸術的な感性が備わっていると信じるコルベールは、忍耐づよくカメラを向けつづけることによって、人間と動物が交流する驚異的な光景をとらえてきました。

21世紀の動物寓話とも言えるこの作品には、世界各地で崇拝の対象となっている動物が登場します。1992年にこの類まれな作品の制作を始めて以来、これま での間に、コルベールは、インド、エジプト、ミャンマー、トンガ、スリランカ、ナミビア、ケニア、南極大陸、アゾレス諸島、ボルネオ、そのほか数多くの場所に探検旅行を重ねてきました。

Ashes and Snow は2002年、イタリアのヴェネチアにあるアルセナーレで初めて公開され、世界各地への旅を開始しました。作品展の永遠の拠点として 世界を巡回しつづけるノマディック美術館は、ニューヨーク・エキシビション(2005年3月~6月)で初めて披露され、続いてサンタモニカ・エキシビショ ン(2006年1月~5月)、東京エキシビション(2007年3月~6月)、メキシコ・エキシビション(2008年1月~4月)へと移動し、決して終わることはありません。

Ashes and Snowという名前は、一人の男が1年にわたる旅路の間、妻に向けて 365通の手紙を書いていくという、この作品展に流れる物語を指した名前でもあります。その名前の由来は、365番目の手紙で明らかにされます。コルベー ルの写真と60分の映像は、この旅人が手紙のなかで描写している出会いや体験を、それとなく示唆するものとなっています

動物を「自然が生み出した生ける傑作品」だと考えるコルベールは、動物が自然に生息する場所でその姿をカメラに収めることによって、動物の真実の声をとら えつづけています。その映像は、芸術作品として、あるいは詩情あふれる生態観察としても鑑賞できるでしょう。映像の編集は、2度のアカデミー受賞経験があ るピエトロ・スカリアが担当しました。ナレーターは、ローレンス・フィッシュバーン(英語版)と渡辺謙(日本語版)、そしてエンリケ・ロカ(スペイン語)が務めており、今後も世界各地を旅する のに合わせ、各国の言語で録音されていく予定です。そして音楽のコラボレーターとしては、マイケル・ブルック、デイビッド・ダーリング、ハイナー・ゲッペ ルズ、リサ・ジェラード、ルーカス・フォス、ヌスラット・ファテ・アリ・カーン、ジヴァン・ガスバリアンなどが参加しています。

Ashes and Snow は、50点を超える大型写真、60分の映像1本、そして「映像俳句」と呼ばれるショートフィルム2本から成るアートプロジェクトです。イメージはい ずれも、コラージュや重ね焼きといった合成技術を使ったものではなく、すべてコルベールがカメラのレンズを通して見たままの姿を記録しています。コルベー ルは、スチールカメラとムービーカメラの両方を使っており、スチール写真は映像から起こしたものではありません。

写真および映像作品で被写体となっている動物には、野生動物のほか、人間と共生してきた動物も含まれています。

ミックスメディアの写真作品は、アンバーとセピアのトーンをかけ合わせ、特殊なプロセスで手作りの和紙に焼き付けられています。写真作品は、およそ213×365cmの大きさで、いずれも説明文などはないまま展示されます。これは、鑑賞者とイメージの間のインタラクションを制限しないよう意図しているためです。

写真

グレゴリー・コルベールの写真作品は、動物が自然に生息する場所で人間と交流する姿をとらえることによって、動物が持っている詩的な感性を探ろうとするものです。この作品世界では、人間はもはや人類という種の一個体ではなく、動物の仲間としてとらえられています。 イメージはいずれも、デジタル合成技術を使ったものではありません。

小説

書簡集の形式でつづられたコルベールの小説は、一人の男が1年にわたる旅路の間に、妻に向けて書き送った手紙です。Ashes and Snowの名前の由来は、最後の手紙で明らかにされます。『Ashes and Snow, A Novel in Letters』は、2004年に初版が出版されました。

映像

これまでの歴史を通じて、私たち人間と動物の関係、人間の動物に対する理解は、神話や伝説として語り継がれてきました。けれども今日に至るまで、これらの伝承は、各地の文化、地域、民族の間にとどまってきました。60分の映像Ashes and Snowと「映像俳句」と呼ばれるショートフィルム2本は、こうした地理的・文化的な境界線に橋を架け、現代に生きる私たち人間と、崇拝対象として私たちの魂に触れる動物をつなぐものです。

インスタレーション

グレゴリー・コルベールが手がけるAshes and Snowは、写真、35ミリ映像、インスタレーション、そして小説が一体となって織りなす、今も進行中のアートプロジェクトです。この作品展のために特別に造られたノマディック美術館は、Ashes and Snowの永遠の拠点として世界を巡回しつづける移動式建造物です。

 
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© Ashes and Snow™ All photographs © Gregory Colbert. All rights reserved.

Ashes and Snowは、Rolex Instituteの支援を受けています。